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リースバックとは?自宅を売却せずに資金を調達する方法

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9月6日
読了時間: 9分

「まとまった資金が必要だけれど、自宅を手放したくない」

「住宅ローンや事業資金、老後資金のために資金を調達したい」

「自宅を売却した後も、今の家に住み続けたい」

このような場合に選択肢の一つとなるのが「リースバック」です。

リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を受け取り、その後は毎月家賃を支払うことで、売却した自宅に住み続けられる仕組みです。

一方で、「自宅を売却せずに資金を調達できる方法」としてリースバックを紹介するケースがありますが、厳密にはリースバックでは自宅の所有権を売却します。

そのため、資金調達を検討する際には、リースバックだけでなく「不動産担保ローン」など、所有権を維持したまま資金を調達できる方法も比較することが重要です。


この記事では、リースバックの仕組みやメリット・デメリット、注意点、不動産担保ローンとの違いについて詳しく解説します。


【リースバックとは?】

リースバックとは、自宅を不動産会社などに売却して売却代金を受け取り、売却後は賃貸借契約を結んで、家賃を支払いながら同じ自宅に住み続ける仕組みです。

国土交通省も、リースバックについて「住宅を売却して現金を得て、売却後は毎月賃料を支払うことで、住んでいた住宅に引き続き住むサービス」と説明しています。

一般的なリースバックでは、次のような流れで契約します。

リースバックの基本的な流れ

  1. 自宅の査定を受ける

  2. 不動産会社などに自宅を売却する

  3. 売却代金を一括で受け取る

  4. 売却した自宅について賃貸借契約を締結する

  5. 毎月家賃を支払いながら住み続ける

通常の不動産売却では、売却後に引っ越す必要があります。

しかしリースバックなら、一定の条件のもとで、売却後も住み慣れた自宅で生活を続けられる点が大きな特徴です。


【「自宅を売却せずに資金調達」とリースバックの違い】

ここで注意したいのが、「自宅を売却せずに資金調達したい」というニーズと、リースバックの仕組みは同じではないという点です。

リースバックでは、自宅を売却するため、所有権は自宅の所有者から買主へ移ります。

つまり、

リースバック=自宅を売却して資金を得る方法

です。

一方、不動産担保ローンは、原則として自宅などの不動産を担保にして融資を受ける方法です。

不動産担保ローン=不動産を担保にして資金を借りる方法

という違いがあります。

そのため、「自宅を手放したくない」「所有権を維持したい」という方は、リースバックだけでなく、不動産担保ローンも比較して検討することが大切です。


【リースバックのメリット】

リースバックには、資金調達と住み慣れた自宅での生活を両立しやすいというメリットがあります。


1.自宅を売却してまとまった資金を受け取れる

自宅を売却することで、まとまった資金を一括で受け取れる可能性があります。

老後の生活資金や医療費、介護費用、事業資金、住宅ローンの返済など、まとまった資金が必要な場面で活用されることがあります。

ただし、売却価格は不動産市場の相場だけでなく、リースバック後の家賃や契約条件などにも影響されるため、提示された売却価格だけで判断しないことが重要です。


2.売却後も同じ自宅に住み続けられる

通常の不動産売却では、売却後に引っ越す必要があります。

リースバックでは、売却後に賃貸借契約を締結することで、これまで暮らしてきた自宅に住み続けられる可能性があります。

「引っ越しはしたくないが、まとまった資金が必要」という方にとっては、大きなメリットです。


3.所有に伴う費用負担を軽減できる場合がある

自宅の所有権が買主に移るため、契約内容によっては固定資産税など所有者として負担していた費用がなくなる場合があります。

一方で、リースバック後は毎月の家賃が発生するため、単純に「住居費が安くなる」とは限りません。

売却後の家賃を含めた長期的な資金計画を立てることが重要です。


【リースバックのデメリット・注意点】

リースバックは便利な仕組みである一方、契約内容を十分に確認しないと、後から「思っていた条件と違った」というトラブルにつながる可能性があります。


1.自宅の所有権を失う

最大のポイントは、自宅を売却するため所有権がなくなることです。

これまで自分の資産だった自宅が、売却後は買主の所有物になります。

そのため、将来的に自宅を売却したくなった場合や、建物を自由に改修したい場合など、所有者だったときとは異なる制約を受けることがあります。


2.毎月の家賃が発生する

リースバックでは、自宅を売却した後も住み続ける代わりに、毎月家賃を支払います。

売却時にまとまった資金を受け取れても、その後の家賃を継続して支払えるかどうかを考えなければなりません。

特に年金など限られた収入で生活している場合、将来的な収入減少や支出増加まで考慮する必要があります。

国民生活センターにも、リースバック後に家賃の値上げや支払い困難などにつながった相談事例が寄せられています。


3.「ずっと住み続けられる」とは限らない

リースバックを利用すれば、必ず一生涯住み続けられるとは限りません。

賃貸借契約の種類や期間、更新・再契約の条件によっては、契約終了後に退去が必要となる場合があります。

契約前には、

  • 賃貸借契約の期間

  • 更新や再契約の条件

  • 家賃の改定条件

  • 退去が必要になるケース

  • 修繕費などの負担区分

などを確認しましょう。

国民生活センターも、リースバックでは賃貸借契約の期間が定められる場合が多く、「ずっと住み続けられる保証はない」と注意喚起しています。


4.売却価格が相場より低くなる可能性がある

リースバックでは、一般的な不動産売却と比べて売却価格が低くなるケースがあります。

「いくらで売れるのか」だけではなく、「毎月の家賃はいくらなのか」「何年間住み続ける予定なのか」など、契約全体を見て判断することが重要です。


5.買い戻せるとは限らない

リースバックでは「将来的に自宅を買い戻せる」と説明されることがあります。

しかし、買戻しが可能かどうか、また買戻し価格がいくらになるのかは契約条件によって異なります。

「いつか買い戻せるだろう」と考えて契約するのではなく、買戻しの条件や価格について、契約書などで明確に確認しておく必要があります。


【リースバックと不動産担保ローンの違い】

自宅に住み続けながら資金を調達したい場合、リースバックと不動産担保ローンは比較されることが多い方法です。

大きな違いは、自宅の所有権を手放すかどうかです。

比較項目

リースバック

不動産担保ローン

自宅の所有権

売却する

原則維持する

資金の受け取り方

売却代金

融資

返済

原則不要だが家賃が必要

元金・利息を返済

住み続ける

契約条件の範囲で可能

原則可能

毎月の支払い

家賃

ローン返済

自宅の資産価値

所有権を失う

担保として活用

向いているケース

売却して資金化したい

所有権を維持して資金調達したい

どちらが適しているかは、資金が必要な理由や返済能力、今後の住居計画などによって変わります。

例えば、「自宅を売却しても構わないのでまとまった現金を確保したい」という場合は、リースバックが選択肢になる可能性があります。

一方、「自宅は手放したくない」「将来的にも自分の資産として残したい」という場合には、不動産担保ローンが適している可能性があります。


【自宅を手放さずに資金調達したいなら不動産担保ローンも選択肢】

「自宅を売却せずに資金を調達したい」という目的であれば、不動産担保ローンを検討する方法があります。

不動産担保ローンでは、自宅や土地、マンションなどの不動産を担保として融資を受けます。

所有権を移転して売却するわけではないため、リースバックとは資金調達の仕組みが大きく異なります。

また、資金使途が比較的幅広い商品もあり、事業資金、納税資金、借り換え、相続関連の資金、生活資金など、さまざまな資金ニーズに対応できる場合があります。

ただし、不動産担保ローンも「借入」である以上、返済計画が重要です。

借入額、金利、返済期間、毎月の返済額、担保評価などを確認したうえで、無理のない資金計画を立てる必要があります。


【リースバックを検討するときのチェックポイント】

リースバックを検討する場合は、次の項目を確認しておきましょう。

売却価格は適正か

提示された売却価格だけで決めず、周辺の不動産相場なども確認しましょう。

家賃はいくらになるか

毎月の家賃だけでなく、将来的な値上げ条件についても確認します。

何年間住めるのか

普通借家契約なのか定期借家契約なのか、更新・再契約ができるのかなどを確認しましょう。

買戻しは可能なのか

買戻しを希望する場合は、条件や価格、期限などを契約前に確認しておくことが大切です。

修繕費などは誰が負担するのか

設備の故障や建物の修繕などについて、貸主と借主のどちらが負担するのかを確認しましょう。

国土交通省も、リースバックでは契約内容や将来の収支計画を十分に理解したうえで利用することが重要だとしています。


【まとめ|自宅を売却する前に資金調達方法を比較しましょう】

リースバックは、自宅を売却してまとまった資金を受け取り、その後は家賃を支払いながら住み続ける仕組みです。

「自宅を売却しても住み続けたい」という方にとって便利な方法である一方、所有権を失うことや、毎月の家賃が発生すること、契約期間によっては住み続けられない可能性があることなど、注意すべき点もあります。

特に「自宅を売却せずに資金を調達したい」という方は、リースバックだけを選択肢にするのではなく、不動産担保ローンなど、所有権を維持したまま資金を調達できる方法も比較してみるとよいでしょう。

「資金は必要だが、自宅は手放したくない」という場合には、現在所有している不動産を活用した資金調達方法について専門家に相談することをおすすめします。

大切なのは、「いくら資金を調達できるか」だけでなく、数年後、10年後の生活や返済まで含めて、自分に合った方法を選ぶことです。

なお、リースバックについては、国民生活センターが2026年にも契約トラブルについて注意喚起しています。契約を急がず、売却価格、家賃、契約期間、更新・再契約、買戻し条件などを十分に確認しましょう。

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